選挙が始まる日を、報道は「公示」と呼ぶこともあれば「告示」と呼ぶこともある。両者は使い分けられており、混同すると選挙の種類そのものを取り違えることになる。

違いは「誰が知らせるか」

公示は、天皇の国事行為として行われる。日本国憲法第7条は、天皇の国事行為として「国会議員の総選挙の施行を公示すること」を定めている。したがって公示が使われるのは、衆議院議員総選挙と参議院議員通常選挙の2つだけである。

告示は、選挙管理委員会が選挙期日を知らせる行為を指す。衆参の補欠選挙、都道府県知事選、市区町村長選、地方議会議員選挙はすべて告示になる。

選挙呼び方決めるのは
衆議院総選挙・参議院通常選挙公示天皇(内閣の助言と承認)
補欠選挙・地方選挙告示各選挙管理委員会

公示・告示の日から何が始まるか

公示・告示の日は、単なる予告ではない。この日に立候補の届け出が行われ、受理された瞬間から選挙運動が解禁される。逆に言えば、それ以前の選挙運動は事前運動として禁じられている。

同時に、この日から投票日の前日までが期日前投票の期間になる。「選挙が始まった=もう投票できる」と理解しておくとよい。

選挙運動期間は選挙ごとに違う

選挙運動ができる期間は公職選挙法で定められており、選挙の種類によって長さが異なる。

選挙運動期間
衆議院議員総選挙12日間
参議院議員通常選挙17日間
都道府県知事選挙17日間
都道府県・政令市の議会議員選挙9日間
政令指定都市の市長選挙14日間
一般市の市長・市議会議員選挙7日間
町村長・町村議会議員選挙5日間

町村の選挙はわずか5日間しかない。候補者を知る時間が制度的に短いことは、地方選挙の投票率を考えるうえで見落とせない条件になる。

「投票日」と「開票日」も同じとは限らない

多くの選挙では投票日の夜に開票が始まるが、離島などでは翌日開票になる場合がある。選挙結果の速報を読むときは、開票が始まった時刻と開票率をセットで確認したい。

選挙インサイトでは、選挙ごとに公示・告示日、投票日、開票日を分けて記録している。同じ「選挙の日程」でも、意味の違う日付を1つにまとめないためである。

出典

  • 日本国憲法 第7条(e-Gov 法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/321CONSTITUTION
  • 公職選挙法 第31条・第33条・第129条(e-Gov 法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC1000000100